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『産経抄』ファンクラブ第30集

137 :引き出し:04/10/14 08:12:46 ID:zsznRw8O
肯定的な自殺の例。じじいの後追い自殺がテーマでしたが。
[1999年07月24日 東京朝刊]
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 承前。江藤淳さんの遺書はまこと簡潔だった。「江藤淳は形骸に過ぎず」と自嘲(ちょう)
し、「自ら処決して形骸を断ずる所以(ゆえん)なり」。そして「乞う、諸君よ、これを諒
(りょう)とせられよ」と結んでいた

 ▼簡潔だから、痛苦の深さと覚悟の強さが余計おしはかられたのだった。きのう小欄は、
人間の心と魂は別で、心は「慶子夫人」の後を追ったが、魂は「昭和」に殉じたと書いた。
明らかになったこの遺書からも、「昭和」という時代に別れを告げているように思われた

 ▼昭和が終わり平成がはじまるころ、江藤さんは随想をまとめてそれに『日本は何処へ行
くのか』という題をつけた。昭和天皇崩御のとき、二百三十万という人びとが皇居前に立っ
た感動を、漱石が『こゝろ』で描いた明治の終焉(えん)になぞらえたりした

 ▼しかし平成がすすむにつれ、日本という国が崩れてゆくことを実感しはじめる。それは
「外敵による侵略で滅亡するのではなく、身内から崩れて亡びるという恐るべき状態、いわ
ば国家の炉心溶融状態がおこっていると思うのです」(『諸君!』平成六年一月号)

 ▼その一文にはいみじくも「戦後民主主義の呪(のろ)い」という題がつけられていた。
昭和ではまだ国民に自制という沈黙の合意があったが、平成に入るや戦後民主主義というい
かがわしきものが横行をはじめた。日本はどんどん悪くなっているというのが江藤さんの嘆
きだった

 ▼人が死ぬごとく国も滅ぶ。しかし国は外から滅びるだけでなく、内からも崩れるという
江藤さんの警告は、ほかならぬ江藤さん自身にもあてはまった。慶子夫人を失うことでご自
分も炉心溶融した。評論家でなく行為者として自説を立証したのである。・

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